肥厚性皮膚骨膜症はどんな病気?

肥厚性皮膚骨膜症とは

以下の3つの特徴をもつ病気です。

  • (手足の指先が広くなる)太鼓ばち指
  • 長管骨(腕や脚の部分の細長い骨)の骨膜性骨肥厚(レントゲン撮影でみられる)
  • 皮膚肥厚性変化(脳回転状頭皮を含む)

原因は遺伝子の異常であることがわかっています。ただし、一つ一つの症状は、別の病気に伴って現れることがあり(2次性、続発性といいます)、肺がんなどによるものが知られています。

1868年、ドイツ人医師のFriedreichが、この3つの特徴をもった症例を最初に発表しました。その後、この病気はいろいろな名称で報告されてきました。
1935年、フランス人の皮膚科医であるTouraineらによってこの病気の特徴がまとめられ、Touraine-Solente-Gole症候群と呼ばれるようになりました。

現在ではVagueの提唱したpachydermoperiostosis(日本語では「肥厚性皮膚骨膜症」)の名称が、一般によく用いられています。
肥厚性皮膚骨膜症は比較的近年になってくわしいことが分かってきた病気です。

※肥厚性皮膚骨膜症の3つの特徴的な症状については「症状と合併症」のページで詳しくご説明しています。

肥厚性皮膚骨膜症の患者さんの数

日本国内における医学雑誌での報告患者数は2008年12月までにおよそ200名ありました。男女比は15:1です。2010年に、肥厚性皮膚骨膜症に関する研究班により初の全国患者数調査が実施されました。調査を行った施設数から回答のあった患者数の総数は26名であり、全国推定患者数は42.9名でした。

肥厚性皮膚骨膜症の原因

原因はひとつではないといわれています。

2008年、原因となる遺伝子のひとつがはじめて発見されました。

Uppalらの研究グループは、パキスタン人の患者さんから、最新の遺伝子操作テクノロジーを用いて15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素(HPGD)遺伝子に変異を見つけました。この遺伝子はプロスタグランジンE2( PGE2:発熱や骨吸収などに関与している生理活性物質のひとつ)の分解酵素の設計図であり、PGE2の分解が損なわれることによって患者さんのからだ中に過剰のPGE2が残ってしまう結果、過剰に働いてしまいます。

しかし、すべての患者さんで、この異常がみつかるわけではありません。

Kabashimaら(2010)は、肥厚性皮膚骨膜症の患者さんの肥厚した皮膚では、Wnt シグナル(タンパク質のネットワーク)の機能が異常に高まってしまうことによって、線維芽細胞(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸といった皮膚の成分を作りだす細胞)が過剰にふえてしまったり、機能が異常に高くなっていることを報告しています。